仏心のある生活(9) 

 

陰徳(1

 日頃私たちは目に見えない無数の陰の力によって支えられております。

この故に陰の力を敬う気持ちから「様」という敬称を付して

「お陰様」という言葉が生まれたのだと思います。

 

そして、そんな感謝の気持ちがあるからこそ私達も

仕事やボランティア活動を通じ、

あるいは日常の心がけの中で陰の力に

お返しをしているわけですが、

この目に見えない善意の助け合いによって世の中はうまく保たれております。

 

 ですから自分が生かされているのはお陰様によるものだと気付いた時、

自分もまた人様に陰の力になるような功徳を積んでゆくことが大切で、

仏教では、これを「陰徳を積む」といいます。

 

 陰徳というくらいですから、自分が積む功徳をこれ見よがしに自慢したり

見返りを求めたりしては何にもなりませんが、何もボランティア活動に参加しなければ

できないというものでもありません。

 

 例えば、道端の空き缶や紙屑をそっと始末してやることも

集会所の玄関先等で乱れた履物を人目につかず揃えてやることも

立派な陰徳です。

 

 要は、日頃の心がけの中で自分にできる功徳を施せばよいのであって、

その積み重ねが尊いのです。

 

そして、黙っていてもその功徳はいつか形をかえ、

必ず自分に帰って参ります。