仏心のある生活(13)

「中道と彼岸」

 かつて、ある政党の党首が「我が党は中道を歩む」と発言して,
にわかにこの言葉が注目されたことがあります。
この場合は、「保守」にも「革新」にも片寄らないという意味ですが、
本来この言葉は仏教用語であり、釈迦の教えの一つなのです。

 釈迦はその修行時代に、悟りをひらくため厳しい苦行を体験しました。
断食は勿論のこと、それは体力の限界に挑む凄まじいものだったのです。
しかし、その結果得た結論は、楽をしてでは無論不可能だが、
ただ苦行に埋没するだけでも悟りはひらけない、というものでした。

 釈迦は後にこの貴重な体験から、人は正しく生きていくためには、
何事にも片寄らないこと、つまりバランスのとれた眼と思考(判断)と
行動が大切であると人々に説いたのです。
 これが「中道」の教えです。

 今年もお彼岸が巡ってきました。「彼岸」は、迷いの此の岸(此岸)から
迷いの無い彼の岸(彼岸)へと渡る七日間の修養期間であり、
あわせて先祖を追慕し、供養する期間です。
 又、彼岸の中日は、太陽が真東から昇り真西に沈む日で
昼と夜の長さが同じです。
 という事は、一年で最も調和のとれた日なのです。

 このことも、「中道」の教えにあい通じたものがあることを思いあわせ、
夢中で過ごしている日常を振り返り、心を澄ませて身を正すという
彼岸本来の意義をかみしめたいものです。




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